カメラ用語解説  

 

ネットワークカメラ(IPカメラ)とは

ネットワークカメラ(IPカメラ)は、カメラ本体にIPアドレスを割り振ることが可能で、WEBサーバー機能を有したカメラです。ネットワーク環境さえあれば単独で機能します。一方WEBカメラは、本体にIPアドレスを割り振ることが不可能なので、USBIEEE1394ポートを使ってコンピュータに接続し、さらにコンピュータにドライバーソフトウェアをインストールすることで機能します。混同されがちですが、ネットワークカメラ(IPカメラ)Webカメラは異なります。

 

アナログハイビジョンカメラの種類 

AHDとは 

Next Chip社のAHD規格 

AHDとはAnalogue High Definitionの略称であり、高画質のデジタル映像を伝送時にアナログ情報に変換し、伝送後に再度デジタル情報にすることでハイビジョン画質の映像が記録できるシステムのことです。日本では「アナログハイビジョン」ともいわれます。デジタルハイビジョンの規格としては世界的に最も普及している規格です。映像処理チップセットの製造元である韓国「Next Chip社」がAHD規格をライセンスフリー化していること、いち早くフルHD(1920×1080px)の解像度に対応したこと等が普及の理由にあります。 

AHD1.0と呼ばれる旧来の規格では720p(1280×720px)映像しか伝送できなかったが、後継のAHD2.0規格で1080p(1920×1080px)映像も伝送できるようになっています。 

 

HD-TVIとは 

Techpoint社のHD-TVI3.0規格 

HD-TVIHigh Definition Transport Video Interfaceの略であり、米国のTechpoint社製のチップセットによってデータを変換する規格であり、最新のHD-TVI3.0の規格では4Kの解像度に対応しているほか、AHDHD-CVI規格を利用したDVR(レコーダー)との互換性があるなどのメリットがあるものの、取扱い代理店が少ないこともあり日本国内ではあまり利用されていない規格です。 

 

HD-CVIとは 

中国Dalhua社のHDCVI規格 

HD-CVIとはHigh Definition Composite Video Interfaceの略であり、中国のDahua社製のチップセットによってデータを変換する規格です。HD-TVI方式同様に日本国内ではあまり利用されていない規格です。 

 

HD-SDIとは 

HD-SDIとはHigh Definition-Serial Digital Interfaceの略であり、日本においてはもともと衛星放送の伝送用に利用されている放送用ハイビジョン信号規格です。実のところ、厳密に言うとこちらは「アナログハイビジョン」の規格ではなく、同軸ケーブルを用いたデジタル方式の規格です。放送業界で利用されていた規格だけあって一般的にAHDHD-TVIなどと比べてノイズが非常に少ないことからこの規格を好んで取り扱う防犯設備の設置業者も多いようですが、通常の同軸ケーブルより太い高画質映像を遅延無く伝送することが可能な5C-FB規格の同軸ケーブルを利用します。それによって遅延無くフルHD画質の情報を伝送できます。ただ、他の規格と異なり、映像のみの伝送にしか対応しておらず音声の記録が必要とされる場面では別途音声用のケーブルを敷設しなければならないことや、対応するレコーダーがそこまで多くないため、AHDほどの普及には至っていません。 

 

EX-SDIとは 

EX-SDI Extended-Serial Digital Interfaceの略であり、従来であれば100メートルまでしか伝送できなかったHD-SDIを最大400メートルの長さまで延長して伝送できるようにした規格です。AHD規格がデフォルトで300メートルまでの伝送が可能ですので、それに対抗したHD-SDIの伝送部分のみを変えた上位互換の規格といえます。ですので、HD-SDIのシステムのケーブル部分に[HD-SDIEX-SDI]変換アダプタを利用すれば互換性があります。 

 

ワンケーブルカメラとは 

電源重畳(ちょうじょう)方式監視カメラとも呼ばれ、同軸ケーブル一本で映像信号と電源を伝送する防犯システムです。最大500mの配線を行うことが可能で、また前述のように配線は一本で済むため施工工事が容易な監視カメラです。なおワンケーブルカメラを駆動するためには、各カメラの指定電源装置が必要となります。 

 

バリフォーカルレンズとは 

Vari-とは、変化という意味を持つ接頭語です。Vari-focalで、「焦点距離が可変の」の意味になります。よってバリフォーカルレンズとは可変焦点レンズ(画角を可変できる)の総称ということになります。 

それに対し、ズームレンズとは、焦点距離を変化させたときにピントがずれない(ずれにくい)レンズのことを指します。つまりズームレンズとは、バリフォーカルレンズの一種で、ズームによるピント移動のないもの(少ないもの)を指す用語ということになります。焦点距離を変化させた場合に、ピントの位置がずれないよう、適度に補正されるよう設計されたレンズです。 

ズームレンズの場合は、一度ピントを合わせた状態で画角を変化させても、そのままシャッターを切ることができます。それに対し、ズームレンズではないバリフォーカルレンズでは、画角を変化させた場合は再度、ピントを合わせないとピンぼけすることになります。 

 

PoE給電機能とは 

PoEPower over Ethernet)給電機能 とは、イーサネットで使用するツイストペアケーブル(UTP)を利用して、 接続するPoE対応機器(無線アクセスポイント、ネットワークカメラ、IP電話等)に電力を供給できる技術です。PoE対応機器へのACアダプタや電源工事が不要になります。 

現在、標準規格としてIEEE802.3afIEEE802.3at2つの規格があります。IEEE802.3atは、IEEE802.3af方式にも対応しています。 

 

PTZ制御とは 

PTZ は、パン・チルト・ズームのこと。この 3つの機能を持ったカメラ(特に CCDカメラやネットワークカメラ)を一般に PTZカメラという。また、こうした機能を遠隔操作することを PTZ制御という。 

パンとは、カメラのレンズの向きを左右に動かすこと。チルトは上下に動かすこと。そしてズームは、望遠にしたり広角にしたりすること。 

もちろん一般のカメラまたはビデオカメラなら、3つとも手動で簡単に操作できる。しかし、監視カメラなどの場合、離れた場所から操作する必要がある。初期のカメラでは、こうした操作ができないことが多かった。 

しかし最近のカメラは、遠隔地から簡単に PTZ制御できるものが増えている。 

 

カメラの種類

アナログCCTVカメラ

AHDカメラ(Ver1.0)

AHDカメラ(Ver2.0)

ネットワークカメラ

価格

解像度

700TVL

720P

720P/1080P

720P/1080P

最大画素数

41万画素

130万画素

200万画素

1200万画素

ケーブルタイプ

同軸ケーブル

同軸ケーブル

同軸ケーブル

ツイストペア

最大伝送距離(リピーター無)

5C-2V: 500m

5C-2V: 500m

5C-2V: 500m

Cat5: 100m

映像の遅れ

画質の劣化

距離が長いと有

距離が長いと有

距離が長いと有

メンテナンスの難易度